「Black time fantasiaU」



 メルサ ♀:24歳。エルフの娘、気が強いが人想いなやさしい性格。

 シュラン♂:27歳。エルフの男、メルサとともに旅をしている。穏やかだが時に冷酷。

 スラセオ♂:エルフ族の族長。何に対しても容赦はない。

 ライト ♂:35歳。西南の国の軍隊長。メルサ達を毛嫌いしている。

 アイセル♀:17歳。西南の国の姫君。生意気なわがまま娘。雑談ですが、作者が一番嫌いなタイプですorz

 スオウ ♂:30歳。西南の国の王秘書。


配役表 2:2:
メルサ♀:
シュラン♂:
アイセル♀:
スオウ♂:


シュラン:この国はまだ歴史からすれば若者なのに。
     もう、争いがはじまろうとしている。
     エルフはこれを最後に、戦をやめさせる。
     この世界はいったいどうなるのか……
     わたしたちには、なにもわかりはしない。

 ――――

 メルサ:「Black time fantasiaU」
     沈(お)ちたところで、何も変わらない。
     人は……どうしてっ……!!

 ――――

アイセル:おとぉさまぁ!おとぉさまぁ!!

 スオウ:アイセル様。今、王は仕事中です。
     大事でなければ、仕事中にはいらっしゃらないで下さい。

アイセル:スオウ。わたしとおとぉさまの愛を邪魔する気?

 スオウ:いえ…そんな…

アイセル:なら、おどき!

 スオウ:ぁあ!!アイセル様!!!

  ナレ:アイセルがスオウを押しのけて王室に入ろうとした。

 スオウ:お…おやめください!

 メルサ:……これはこれは。姫君アイセル様とスオウでは…

 スオウ:なんだ、お、お前達…!

アイセル:なにょ。あんたたち誰よ

シュラン:王に会いたいんだが……

 メルサ:………

 スオウ:姫に何か?

アイセル:あの女の人こわぁーい

 メルサ:フン。あの王の愛娘か。ただのバカじゃないか。

 スオウ:な…なんてことを!!!

シュラン:それよりも、王に会わせていただきたいと――

アイセル:――そんなの関係ないわ!!

 メルサ:あのねぇ、あんたに構っている暇はないの。
     大事な大事なあんたの『おとぉさま』にわたしたちは
     用があってきたのよ。

シュラン:……ったく……そのとうりだ。通してもらおうか。

 スオウ:そうはいきません、お前達を合わせるわけには行かない。

シュラン:どうしても…か?

 スオウ:わからないか? 

シュラン:まぁ、所詮お前のすることなんてそんなものさ。
    じゃあ、お前が王に言ってくれればいい。意味がわかるな。

 スオウ:死神に言われなくても、丁重に伝えさせてもらうよ。

シュラン:スオウ、お前も落ちたな。人を死神などと言う奴だとは思わなかったよ。

 スオウ:それはこちらのセリフだ、シュラン。まだこんなことやってるなんてな。

アイセル:スオウ? あなた、こいつらを知っているの?

 スオウ:いいえ。知りませんよ。

 メルサ:勝手にしろ、スオウ。もう二度と会うことは無いだろうけどな、
    この先、お前の命はないと思え。精々頑張って鎧でも着こなすんだな。

 スオウ:メルサ、ずいぶん口が達者になったな。
    その忠告、心の奥にしまっておくよ。君の最後の言葉だからね。

アイセル:……スオウ!!

 スオウ:はい、もう行きましょう。

 ――――

シュラン:メルサ。今日は機嫌が悪かったな。
    朝から怒鳴りっぱなしじゃないか。喉が痛くなるぞ。

 メルサ:腹の立つことばかりおこるだけよ。
    あの軍隊の隊長も……スオウ…も!

シュラン:そ……か。

 メルサ:まったく、わたしはどうしちゃったんだろう。

シュラン:メルサ、君はいいこだ。

 メルサ:……

シュラン:俺は、スラセオ様に反対しなければならなかった。君みたいにね。
    でも、俺には君のような勇気はないよ。

 メルサ:でも、そんなの無駄だったんだ。わたし一人が抵抗したって
    何も変わりはしないんだから……

シュラン:そんなことはないんだ。いいか、君一人が全てを背負わなくていいんだ。
    きっと、皆君と同じ気持ちだ。スラセオ様も。

 メルサ:わたし……まともに皆とお別れしていないのに…っ…

シュラン:メルサ……

 メルサ:もう、いやだ……わたし、もう、こんなのいやだ!!

シュラン:何言ってるんだ、今更元には戻れないよ…

 メルサ:いや…いやぁ……イヤァアア!!!
    わたし、わたし帰る…かえる!!

シュラン:子供みたいなこと言うなよ!

 メルサ:離して! イヤァア!!

シュラン:メルサっ、おちつけぇ!!

 メルサ:いや、いや!! やめて、なにするの!!

シュラン:メルサ!!

 メルサ:うっ……

シュラン:世話かけるんだから、いっつも……いっつも。

 メルサ:……

シュラン:しばらく、眠っていてくれ。